当院にご来院して頂いている方から「フキノトウ」を頂きました。
その方のご自宅のお庭に自生している貴重なフキノトウです ♪
フキ味噌、フキノトウの天麩羅。。。
フキノトウといえば、ほろ苦い味わいが特徴ですね。
この「ほろ苦い味わい」に、この時期ならではの意味があることをご存知でしょうか。
春の食材の苦味の意味とは。。。?
「春苦み、夏は酢の物、秋辛み、冬は油と合点して食え」
明治時代の食養研究家の石塚左玄氏の言葉です。
春は苦味のあるものを食べよ、ということです。
これは、どういう意味なのでしょうか。
「熊は冬眠から覚めると、まずフキノトウを最初に食べる」という話があります。
これは、フキノトウの苦味の「排毒作用」を利用して、冬眠の間に身体の中に溜まった毒を出しているのです。
人間も同様で、冬の間に溜めた体内の毒素を苦味のある食材を食べて排出する必要があります。
それを石塚左玄氏は、指摘しているのです。
では、排毒によいからといって、食べたいように食べてもよいのでしょうか。。。?
食材の性質にあった苦味の摂り方
食べ物には、食べ物ごとに性質があります。
その中でも「温める性質なのか、冷やす性質なのか」は食べ物を選ぶ基準として、とても役に立ちます。
例えば、夏野菜・南国の食べ物は身体を冷やす作用が強いのに対して、冬野菜・北国の食べ物は身体を温める作用が強いので、それを意識すると季節にあった食材を選べます。
少し視点は異なりますが、「苦味」は身体を冷やす作用が強いと言われています。
マクロビオティックの考えによれば、陰性の強い食材ということになります。
ですので、苦味のある食材を食べすぎると身体を冷やし過ぎるので、身体を温める食材と一緒に摂ったり、温める食べ方をしたりする必要があります。
味付けとしては、「塩辛い」味を使ってバランスを取ります。
マクロビオティックの考えによれば、塩辛さは陽性であり身体を温める食材なので、苦味の陰性を抑えるのに調度よい味付けといえます。
また、この味付けは、東洋医学の一つの考え方の五行論(ごぎょうろん)にも適うものといえます。
五行論によれば、苦味は「火」の属性で、塩辛い味(← 五行論では、鹹(かん)といいます。天然塩の味のことです)は「水」の属性です。
そして「水」は「火」を抑える作用がある(水克火)ので、塩辛い味は苦味を抑えるのに適しているのです。
さらに、今回は調理法として、天麩羅にして熱を加えることで、陽気をさらに高めてみました。
アツアツのフキノトウの天麩羅に天然塩を振りかけて頂く。。。
ほろ苦いフキノトウには、甘味のある天然塩の味がよく合います!
これで、排毒もしつつ身体を冷やす弊害も調和させて、美味しくフキノトウを頂くことができました ♪
春の苦味は塩味を加えてバランスをとることを、オススメします (^^)
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